焼肉の店が多い馬喰町は、古くは博労町と記載されていました。博労とは馬労とも言い、馬や牛を購入する際の仲買商人のことを指します。全国の馬市に集まり、競りで馬を販売をしている職業です。馬喰町には徳川幕府の馬労頭が住み、馬場の管理をしていたためこの町名がつけられました。馬喰町では馬や牛の取引が活発に行われていたことから、古くより焼肉の店がたくさんあるのです。各地に焼肉が自慢の地域はあるものの、馬喰町の焼肉はその中でも特に優れています。馬喰町の焼肉屋の特徴は何といっても肉の質が良いことです。全国の馬市に出かける博労が住む町ですからよい肉が集まってきて、それぞれの店は全国の有名な肉の産地から良い肉を仕入れています。
和牛は神戸牛、松坂牛などと地域の名前で呼ばれ、和牛オリンピックなども開催されてその味を競っています。各地域では牛を育てる環境や食べ物に工夫を加え、どうすればおいしい肉が得られるかの研究を進めています。それぞれの地域の肉は味や柔らかさなどに特徴があり、各店は顧客に合わせて肉を選んでいます。常に新しい肉を仕入れているため、安心です。店のメニューにはどこの地域の肉かを記してあるので、客は好みにより選ぶことができます。
馬喰町では焼肉の調理方法において、最もポピュラーなのが炭火焼きです。客の席に炭火の入ったコンロを用意し、焼きながら食べられるようにしている店や、店独自のコンロを使っているところがあります。テーブル自体にコンロが組み込まれていて、そのコンロで焼きながら食べられます。変わったところでは大きな窯で焼く店もあり、この場合は大きな肉の塊を焼いて切り分けて盛り付けます。
馬喰町の焼肉屋では、店の雰囲気に特徴を持っているところがあります。長い伝統を持ったお店の中には豪華なテーブルと椅子が使われているところも見られ、内装がどっしりとした雰囲気で落ち着いて食事を楽しめます。また、ひっそりとした隠れ家的な雰囲気を特徴としている店では、おしゃれな内装を自慢としています。
肉の種類も豊富で様々なものが食べられます。店によってはおいしい食べ方を研究していて、肉の握りがあったり、極上の肉を刺身で提供してくれたりと様々です。特に霜降りの肉の握りなどは絶品です。新しい肉はうっすらと焼き目ができたところが食べごろで、外はこんがりして内部がジューシーになっており、おいしく食べられます。ホルモンや様々な部位も揃えています。場所により焼き方も変わり、好みに合わせて焼いて食べると良いでしょう。焼肉の必需品はたれですが、馬喰町では多くの店で長年続けてきた秘伝のたれを自慢としています。たれを瓶に詰めてお土産として販売している店もあります。
馬喰町の焼肉屋といっても、焼肉だけではなく、ごはんものやスープなどのから、付け合わせのキムチといったように、メニューはいろいろとそろっています。子供用にハンバーグやコロッケ、カレーなどを用意している店などもあり、家族連れで食事が楽しめます。飲み物のメニューも豊富で、ビールから日本酒まで様々な品種のものを飲むことができます。さらに、地酒を各地から取り寄せて用意しているところもあるでしょう。
食事の値段は豪華な割に安く、注文する際、値段を過干に気にしなくても大丈夫です。上等な肉の食べ放題などもあり、普段はあまり食べられないような肉をおなか一杯食べられます。さらに安い値段で飲み放題もやっていて、グループや団体の会合には最適です。団体向けには大きな部屋が用意されていることも多く、忘年会や結婚式の宴会などにも利用可能でしょう。東京でおいしい焼肉を食べるならぜひ馬喰町を選んでください。
